当時私はサラヤ社のスタッフとして働いており、日本政府からABEイニシアティブプログラムについて案内を受けました。このプログラムは、アフリカの若者に日本の大学で学び、日本企業でインターンシップを経験する機会を提供するものです。この機会をきっかけに、公衆衛生の修士課程を提供している大学を探すようになり、私にとってTMGHが最善の選択肢であると判断しました。LSHTMと連携している点やカリキュラムにフィールドワークや長期海外研修、修士論文に係る研究を行える機会が含まれている点がユニークだったからです。 TMGHでの留学経験は、アフリカやアジア諸国から来た学生の多様な見解が得られると同時に、様々な状況下での公衆衛生問題に関する意見やアイディアを仲間と共有することができました。また学術面においても、修士論文執筆及び公開審査で必要とされるプレゼンテーションスキルや英語のライティングをはじめ、参考文献の検索方法等の指導も受けることができ、TMGHの講師陣は論文執筆の過程を通じて非常に丁寧に指導してくださいました。
長崎大学で得られた研究スキルは、現職であるサラヤの衛生管理者としての仕事において、コロナ禍における公衆衛生問題に関する判断力を向上させてくれたと確信しています。私は現在、修士課程在籍中にインターンを行ったWHOの研究チームと協力しながらウガンダで研究を続けています。最後に、指導教官、スタッフ、長崎大学、サラヤ社、国際協力機構、そして寄附者の皆様の支援に心より感謝をいたします。
*TMGH:長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科
*LSHTM:ロンドン大学衛生・熱帯医学大学院